「25歳定年説」というものがある。
キャッチーなフレーズであるため一時期盛んに使われており、その結果として「25歳定年説」を指し示しているものが人によってブレてたりもするが、元々は「メンバーが25歳になったら事務所からの肩たたきで辞めることになる」という趣旨であったように思う。
で、これについて自分は眉唾物であると思っているし、「25歳定年説」を注記なく実在するものであるかのように扱う言説にはイラッとするのだが、この自分の態度を「メンバーが『25歳の定年などない』というので25歳定年説などないと信じている人」と捉える人がいるらしい。
その捉え方は自身のスタンスとは真逆の解釈でありそれはそれでイラッとするのでそのあたりについて少し書いておきたい。本来ヲタクの自分語りなどしてもあまり価値はないのだが、今後その勘違いを元にややこしいことを言われて「実はそういうスタンスではないんだよ」という説明から入るのも面倒なのでとりあえず備忘録的に記しておく。
まず、自分はヲタクの目に見えるところに出てきた情報は氷山の一角であり、たとえメンバーが何か言おうが事務所から公式に発表されようが、（飲み込むか否かは別として）それのみで真偽は判断できないというスタンスである（「それのみで」と入っている点に注意）。
この情報の出所についてはメンバーや事務所だけでなく「ヲタク」や「匿名掲示板の書き込み」や「知人」なども含まれる。当然信頼性は当事者たちからの発信よりもさらに低い。
さて「25歳定年説」についてはどうか。
「25歳定年説を覆す理由」を求められることがあるかもしれないが、いやいやその前に「25歳定年説の出所/理由」だろうと。「確からしい説A」を否定するにはそれなりの理由が必要だが、それより先に「説A」が「確からしい」理由が必要だ。
今のところ自分にとって「25歳定年説」というのは「どこかの知らないおじさんがSNSか匿名掲示板で思いついた素敵でキャッチーなフレーズ」なだけであり、「確からしい」理由がまだ提示されていない風説である。
自分は知らないおじさんから「明日地球が終わるよ」と言われても俄には信じないのだが（検証の結果として信じる可能性はある）、知らないおじさんから「25歳で定年らしいよ」と言われて信じてしまう人は知らないおじさんから「明日地球が終わるよ」と言われて果たして信じるのか。
もし信じないのであればその人にとって「25歳で定年らしいよ」と「明日地球が終わるよ」の間にはどういう違いがあるのかが知りたい。
過去の卒業者が25歳前に辞めてるではないかという話があるようだが、中澤裕子(当時27歳)信田美帆(当時28歳)柴田あゆみ(当時26歳)などは25歳を超えているし、25歳になる前に辞めたメンバーも沢山いる。そこで何故25歳というラインに妥当性を感じたのか。
これに対して2009年3月以降は25歳を超えてないという話もある。そりゃその説にあわせて切り取る部分を調整すればその説に合致したものが得られるだろう。当たり前だし詐欺やオカルトでもよくある手法だ。しかもその切り取った部分に25歳未満の卒業はごまんといる。
たとえば1996年時点で日本最高齢は116歳だったのでそこで「日本人は116歳で寿命が来るように遺伝子に組み込まれている」という説も可能だが、こういう提示の仕方をした場合はおそらく多くの人が「そりゃ嘘だ」と思うだろう（なお2020年現在は117歳の人がいるので当然その説は覆される）。
で、そもそも知らないおじさんから出てきた「明日地球が終わるよ」と同じレベルの説をそんなに調整してまで有り難がる理由は少なくとも自分にはないし、知らないおじさんの説を大事にしている人がどういう了見なのかもよく分からない。
なお、25歳周辺でメンバーが卒業を考えるのは体力的な面やその後の人生を見つめ直す機会として当然あると思っているし、そのあたりを心配する事務所が「今後どうする？」と身の振り方を聞いてくるのも自然な流れだと思っている。
ただし、それは別に25歳を定年の区切りとしている訳ではなく、例えばグループの中でひとりだけ年長者になった場合や今後の展開が見えてきた場合はもっと早い段階でその機会が訪れるだろうし、逆にグループ全体が年齢層高めになればもっと後の段階でその機会が訪れるものと思う。
このように「25歳定年説とか信用できねえ」というのは話としては至極妥当なものであり、個人的には特に議論するほどのものではない気がしているのだが、そこで何らかの議論が生じてしまうところが難しい。
単に「出所が怪しいキャッチフレーズは現在確認できる要素を鑑みるに事実として認定するようなものではない」というだけの話なので、メンバーの言うことを信じるとか信じないとかそういう大層なお話ではまったくないのである。
※補足：文中の卒業年齢間違えてたらごめんなさい。
